阪神・淡路大震災 |
| 阪神・淡路大震災は、戦後の自然災害史上では最も大きな被害をもたらし、その後の復旧・復興過程を含めた生活への影響は実に甚大でかつ非常に深いものであった。現在も、被災地では復旧・復興への厳しく長い闘いが繰り返されている。災害の復旧・復興過程は、一からの生活設計の組み直しや地域生活の将来像の再創造を含むだけに、被災地から離れた人々が考える以上に、継続的で息の長い試行が繰り返されることになる。 阪神・淡路大震災(1995年1月17日 午前5時46分発生/以下阪神大震災と略称)を被害の特質という点からみると、直下型地震と火災・延焼が大都市の市街地(とくに、インナーシティ)を直撃し、高齢者と貧困者等の社会的弱者に集中的な被害をもたらした災害であったと特徴づけることができよう。 阪神大震災は、戦後の日本社会が経験してきた諸災害と比較して被災者が受けた衝撃の大きさ、被害の大きさ(全半壊家屋数、人的被害の大きさ)などがけた違いに大きい災害であり、被災後の社会的対応という面でかってない規模と内容的な広がりをもつ社会的問題が一気に噴き出し、それに対する行政、防災関連機関をはじめとする社会のすべてのレベルにおける対応のあり方が問われたのである。 |
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| ● 阪神大震災の時系列での社会的問題の展開 阪神大震災の社会的問題の展開を、「災害直後〜救出・救助期」、「緊急避難〜避難救援期」、「応急復旧・復興期」の3つの時期区分に分けて概観し、社会的問題群間の波及・連鎖関係(とくに、質的な災害の影響の広がりと深さ)について整理を試みる。阪神大震災においては、災害後のどの時期においても、高齢者をはじめとする災害弱者への影響の深刻さが特徴的であった。 ● 阪神大震災と災害研究 上記の項目の詳細を眺めるとわかるが、阪神大震災に引きつけて災害の社会過程をみていくと阪神大震災を題材にした多様な災害研究のあり方が想定できるであろう。戦災研究や人為災害といった広範な事例を内包する過去の災害研究を念頭におく場合、災害研究のあり方も過去の研究の再解読を含め、未開拓のさまざまな可能性を秘めている。 「応急復旧・復興期」の生活再建過程や地域社会の復興への模索等をテーマとした研究等は、被災地が被災後抱え続けてきた課題を前面に据えながら、被災社会が災害に対応することを通して時間的な経過のなかでどのような課題に答えどのような推移をたどろうとしてきたのか、それが引き起こす波紋(地域変動への引き金)が何かを、見据えようとする試みであり、災害研究のさまざまな可能性の一つを示している。 そうした災害研究の詳細については、災害研究の動向、災害の社会学的研究の動向の項を参考にしていただければ幸いである。 阪神・淡路大震災 構成 |